天然醸造で造る醤油
- 2018年1月12日
- 【カテゴリー】 晴海ヶ丘
鳴門ICから約5.4km、昔ながらの天然醸造で造る醤油の蔵元、福寿醤油さんのご紹介です。昨年の晴海ヶ丘通信の取材・撮影の際にご協力いただきました。1826年創業の創業以来、伝統的な製法を頑なに守り続けている、お醤油とお味噌の醸造元です。一般的には諸味を発酵させる期間は4~5ヶ月ですが、福寿醤油さんでは1年以上かけて自然発酵させます。そのため量産はできませんが、お醤油本来の香りと深みのある旨味が人気です。
醤油の原料となる大豆と小麦は、粒が大きくて甘みのあるものを厳選しているそうです。蒸煮した大豆と、炒り砕いた小麦に、種麹(たねこうじ)を加えて、麹室(こうじむろ)へ盛り込みます。途中でかき混ぜる手入れ作業を行いながら、温度約25-32℃、湿度70%の状態で保ち4日後には醤油麹が完成。残念ながら湿度70%の麹室はカメラのレンズが曇るため撮影はできません。
次は仕込みです。完成した醤油麹に食塩水を混ぜて、上の写真の発酵タンクに仕込みます。工場の天井の太い梁に歴史を感じます。福寿醤油さんでは、このタンクで発酵に1年以上の時間をかけます。そのため熟成された諸味が生まれるのだそうです。
歴史の重みを感じさせる木樽は、100年の時を経ていまだ現役です。
上の写真は昔、各家庭への配達によく使われていた大谷焼の陶器の醤油甕。
発酵タンクで1年間熟成させた後、いよいよ諸味を搾ります。槽(ふね)と呼ばれる木枠で囲んだ大きな箱に、1m四方の圧搾濾布(ろふ=布状の濾過材)で諸味を包み、四隅を畳んでその上に少し小さめの布を載せます。これを何回も繰り返し、濾布を約300枚重ねると自重により諸味の液汁が自然に垂れてくるのだとか。
搾った生醤油を成分調整した後、最後の工程である火入れを行います。これは加熱することで殺菌、そして色・味・香りを整えたり、酵素の働きを止めて品質を安定させるなどの目的があります。この後に瓶詰めし検査を経て、出荷・販売となります。
敷地内にあるお店では色々なお醤油やお味噌が買えます。月曜日から土曜日までの9:00~17:00までは「蔵見学」が楽しめます。ぜひ「晴海ヶ丘」ご見学についでに鳴門まで足を伸ばしてお立ち寄りください。
●福寿醤油 TEL.0120-866ー140
・鳴門ICからお車で15分ほど(約5.5km)
・徳島県鳴門市大麻町池谷字大石8番地