温故知新・・・「火天の城」
- 2010年11月26日
- 【カテゴリー】 アイデア・発見
昨年、山本兼一原作「火天の城」を読んで感動し、
映画化されると聞いて楽しみにしていたところ
映画館に足を運んだ友人から、「本のほうが何倍も良い」と聞いてしまったので
ビデオが出たら借りて観ようと思っておりました。
レンタルで登場してから幾度と無く探しましたが、
地味な映画なのか本数が3本ぐらいしかなく、何時も貸し出し中でなかなか観られず、やっと先日観ることが出来ました。
・・・・あらすじは、1576年(天正4年)、尾張熱田の宮大工、岡部又右衛門は織田信長から、近江安土に五重の天守閣を持つ城の設計・建築を命ぜられた。
「天高くそびえ立つ、天下一の城を作れ」-。
この物語は、立ちはだかる難問を岡部と周囲の人物たちの知恵と協力によって克服し、「安土城」として完成させるまでを描いたものである。・・・ウィキペディアより引用。
物語には、現在の建築業界と変わらない、施主の要望を取り入れた設計コンペ方式が取り入れられ、岡部を含む日本で有力な宮大工3人の競いで、テーマとして施主信長は吹抜けを設け、天守に自分が住む城づくりを要望。
岡部以外の2社は要望のまま設計するのですが、岡部だけは吹抜けは火事の際、火の通りが早く信長の命を案ずればとの思いで、吹抜けの無いプランを提案する。信長は自分の言うことを聞かぬ岡部を斬ろうとするが、
岡部はコンペの模型に火をつけて、信長を説き伏せ、
結局施主を案じる気持ちが伝わり、岡部のコンペ作品が1等になり、
天下一の城作りが始まったということになります。
映画の脚本脚色にはいろいろ思いはありますが、それは映画評論家に任せるとして、私たち建築に携わるものにとって、改めて安心安全な家づくりの思いを大事することなど、本当に肝に銘じる部分がたくさん出てきます。
ぜひ建築にかかわる人達や、これから施主として家づくりを考えている方は、読まれたり観られたらいかがでしょうか。きっと役立つ事がたくさんあると思います。
うまく文章では表現できないのですが、個人、親子、家族、会社、社会単位の絆を深くとらえ、さわやかな勇気が出そうな内容です。
私個人は、原作を読まれることをぜひお勧めしますが、映画はちょっと軽くなっていますが、それなりに掴んでいますのでぜひご覧下さい。