ログハウス上棟、中間検査完了しました。
- 2012年12月28日
- 【カテゴリー】 建築日誌
姫路の現場、K様邸のログハウス施工状況の報告です。ログが組み上がり、上棟、垂木の施工も完了し、中間検査も終えました。下の写真はログ組の風景です。
ログハウスの場合は,木材を板目(横)方向に使うので、高さ方向(耐力壁)で2~5%程度のセトリング(セトルダウン)が起こります。セトリングは英語のsettle(落ち着く・安定する)から来ている和製英語で、木の収縮によって横に積んだ丸太が縮む事によって、高さが下がってくる様子を表しています。セトリングはログを仮組みしている段階から始まり、完成後も続きます。
ロータスカンパニーが扱うランタサルミのマシンカットログハウスは比較的収縮率が少ないのですが、それでも2~3%のセトリングがあります。仮にログ壁の高さが3mとした場合、6~9(3mx2~3%)センチとなります。1本の丸太を使うハンドカットログハウスの場合は、断面が大きいので乾燥処理が少ないまま施工される事が多く、5%程度のセトリングがあります。ログ壁3mとして15センチ(3mx5%)にもなります。
最初の丸太の状態にもよりますが、完成後5年以上続くこともあります。日本では法律で通しボルトを入れることが義務付けられており、セトリングが進むとボルトに遊びが生じるため、その増し締めが必要となります。特にセトリングが激しい1~2年目は、6ヶ月以内の点検が必要です。下の写真は、上棟後の垂木施工風景です。
セトリングにともなって窓やドアの開口高も狭くなります。窓やドアなど建具にはあらかじめセトリングスペースを設けて目隠しのトリムボードがスライドするよう設計されていますが、場合によっては不具合が生じることもあり、調整が必要となってきます。またログ壁が沈むと2階(ロフト)の床も沈むため、階段の下にはスペーサーボードが入れられています。セトリングの度合いに応じてこのボードをはずして調整します。
ログハウスの場合は、その他にも外壁の再塗装など定期的なメンテナンスが必要です。左のログ壁の写真はまだ塗装前なので真っ白ですが、時とともに味が出てきます。革製品やお気に入りの道具と同じで、丁寧に手入れして使い込む程に深い味わいと愛着が出てくるログハウス。メンテナンスも楽しみのひとつと言えるかも知れませんね。
姫路のK様邸のログハウスは、年明けから屋根工事が始まります。今年も早いものであと3日で終わりですね。来年も皆様に当ブログで、田舎暮しや、田舎暮しの家づくりに関する情報を提供していきたいと思います。来年もご愛読の程、よろしくお願いします。